H27研究成果

本年度は(i)航空会社ごとの世界旅客機ネットワークデータの分析、(ii)ネットワーク構造の改善・最適化ソフトウエアの開発、および(iii)航空会社ごとのスケジュール改善アルゴリズムの開発を研究計画に挙げていた。(i)については2014年1年間の月次航空輸送ボリュームデータに含まれる世界725の航空会社の輸送ネットワーク構造の特定と構造の定量化に成功した。更に、(ii)については航空会社ごとにネットワーク構造を分解し、H26年度までに開発が完成していた多目的最適化アルゴリズムを航空会社のネットワーク構造と輸送ボリューム、空港リスクを勘案して適用することにより航空会社ごとのネットワーク構造を多目的最適化する並列計算アルゴリズムを開発した。このアルゴリズムを用いることにより航空会社ごとの部分最適化を通じて全世界の航空輸送ネットワーク構造の多目的最適化解の現状のネットワーク構造からの可到達解のひとつを得た。この方法を計算中の乱数系列を変化させることにより、現状の世界の航空輸送ネットワーク構造からの可到達な有効フロンティアを計算できることが原理的に示された。(iii)については、(ii)で行った航空会社ごとの多目的最適化により輸送経路の計画改善アルゴリズム開発につながった。スケジュールについては、それぞれの空港におけるキャパシティーの拘束条件があるが、これは航空会社ごとに有する発着枠と経済合理性との関係で決まるため、これ以上の最適化を考慮するためには詳細な航空会社の有する空港利用権に関するデータを得る必要があることが分かった。これを行うためには、国際的な航空会社の連盟であるIATAとのコンタクトが必要であることから、予算的にもデータ取得労力的にも今後の研究課題とした。これらの計算は、京を含むHPCI課題研究(hp150106)の計算機資源(統計数理研究所提供)を利用して実施した。